つい最近、最高裁判所は、成年後見人には「身近な親族を選任することが望ましい」との考え方を示しました(2019年3月18日)。
「当然ではないか」と考えた方もいらっしゃるかもしれませんが、ここ4、5年間の成年後見人の選任状況を見ると、全体の50~60%以上が、専門職(司法書士や弁護士、社会福祉士など)から選任されていました。そのため、上記の考え方は、従来の方針を変更するものと考えることができます。
このように方針を変更した背景の一つは、これまで親族等の身近な支援者が本人の財産管理や身上監護を行ってきたにも拘わらず、後見開始の申立てを行うと、専門職から後見人が選任され、毎年本人の資産から報酬が支払われることになるため、後見制度自体を利用しないケースが多かったことが挙げられると考えられます。
しかし、一般市民が法律のことをよく理解し、後見事務を行うことは非常にハードルが高いことも事実です。現在、全国の市区町村に設ける予定の「中核機関」が親族後見人の支援を担い、制度の理解不足を防ぐことを想定していますが、この「中核機関」は現時点で95%の市区町村が未設置です。そのため、最高裁の考え方通りに運用がなされるのは、まだ先となるといえるでしょう。
また、親族後見人による横領等の不正行為の対策も検討されていくことになるでしょう。
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成年後見人には「親族が望ましい」のか
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