家族信託の手続完了までの流れと費用について/湘南なぎさ合同事務所

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家族信託の手続完了までの流れと費用について

家族信託は長期に渡って運用される契約ですし、大きな財産の移転も伴います。そのため実際に家族信託を開始されるまでの各手続も慎重に進めていく必要があります。
この記事で家族信託の手続完了までの流れと費用を説明していきますので、各ステップで注意すべきことを押さえ、トラブルのない家族信託を目指していきましょう。

手順1:家族信託の内容を検討

まずは信託契約の内容を検討していきます。

自らの財産を預けることとなる“委託者”は慎重に契約内容を定めていく必要があります。
ただ、信託契約は比較的複雑な契約類型であるため、信託に強い弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に相談して一緒に話を進めていくことも大切です。

そして当然、契約の当事者となる“受託者”と“受益者”もその話し合いに参加する必要があります。
特に受託者に関しては信託契約に基づく財産運用のキーマンとなる人物であるため、契約内容、つまり財産運用の方法について一緒に検討していくようにしましょう。

“受益者”は家族信託による恩恵を受ける人物です。委託者が財産を信託し、その財産を受託者が管理運用を行います。財産の使い道や運用によって生まれる利益は受益者のためにあります。
そのため受益者は受託者のように責任重大とはなりません。ただ、受託者が契約内容をきちんと遂行しているかどうかチェックするためにも、契約内容については理解できている必要があります。

なお、多くの家族信託では委託者と受益者が一致するため、その場合には委託者と受託者の二者および専門家でともに主に話を進めていくことになるでしょう。
とはいえ契約の当事者とはならない家族が一切の影響を受けないわけではありません。実質受益者以外の人物もその信託契約による影響を受ける可能性があります。そのため家族や親族など、関係する人物全員を巻き込んだ話し合いを行うことが大切です。
話し合いに関与しない人物がいた場合、後々揉めるリスクもあります。

家族信託に関して話し合うべき事項

そもそも何のために家族信託をしようとしているのかを当事者間で明らかにし、共通の認識を持っておきましょう。最初に同じゴールを意識できていないと、認識のずれによりどこかでトラブルが起こる可能性があります。

その上で「どの財産を信託するのか」を決めていきます。
相続と違いすべての財産が移転対象になるわけではありません。契約で定めた財産に限り信託財産となります。そのため目的に応じて信託すべき財産を特定していきましょう。
例えば委託者の判断能力が衰えることを危惧して家族信託を始めるケースであれば、財産の管理運用の難易度が比較的高い不動産などは信託財産とする必要性が高いと言えます。

「受託者の設定」もとても重要な検討事項です。
信頼できる家族、その上で財産管理が適切に実行できる能力を持った者を選定しましょう。不動産や有価証券の運用をしてもらう場合には相当の専門知識を持った人物でなければなりません。
適格な人物が家族にいない場合、専門家へご相談下さい。

その他「いつまで信託契約の効力は続くのか」「信託契約終了後は誰が信託財産を受け取るのか」といったことも話し合います。

必要書類を準備しておく

信託財産とする財産が確定できれば、後続の手続をスムーズに進めるためにも、必要書類を準備しておきましょう。

基本的にどの場合も「本人確認書類」は必要です。
運転免許証、マイナンバーカードなど、何かしらの本人確認書類はすぐに出せるようにしておきましょう。
委託者と受託者の本人確認書類として「印鑑証明書」も用意すべきです。ただし利用できるのは発行から3ヶ月以内と指定されることがほとんどですので、この点に留意して取得するタイミングは調整しておきます。
これに併せて委託者・受託者の実印も用意します。
受益者が委託者と異なる場合や受益者代理人などを設定する場合は、人物を特定するための住民票や委託者との続柄を確認するための戸籍などが必要となります。
さらに、信託財産に応じた書類として、不動産なら登記事項証明書、あるいは固定資産税評価証明書などを用意します。

手順2:信託契約書の作成

契約内容の検討が済めば、信託契約書の作成に取りかかります。

そこで話し合った内容を契約書の形にまとめていきます。
表題、前文、本文、後文、日付、署名などは雛形を使えばある程度イメージできるでしょう。

なお、契約書の作成は専門性が高いため、安全のためにも法律のプロに依頼したほうが安心です。

公正証書として契約書を作成する

信託契約書は公正証書として作成するのが一般的です。
多くの契約書は当事者間で自由に作成する“私文書”にあたる書類ですが、これを公証役場で公証人に作成してもらい“公文書”とすることも可能です。

そうすることで法的に契約が無効になることを防ぎやすくなりますし、契約書原本が公証役場で保管されるため、偽造や紛失などのリスクも排除できます。

家族信託の効力は数十年もの長期に及ぶこともありますので、委託者が判断能力を失った後、利害関係を持つ誰かが偽造をするリスクもゼロではありません。
こうした問題も公正証書として作成しておけば心配する必要がありません。

手順3:信託財産の名義の移転

家族信託が開始されると信託財産の所有権は委託者から受託者に移転します。

同じく本人の財産管理を担う「後見制度」では所有権は移転しません。あくまで後見人が被後見人の代わりに法律行為等を行うに過ぎません。
しかし家族信託では所有権自体が受託者に移ります。そこで財産によっては所有権を移すための手続が必要になります。

必要となるのは主に名義変更の手続です。
信託財産に不動産が含まれているなら、“信託登記”をしなければなりません。一般的な所有権移転の登記ではなく、信託登記である旨明記されますので、純粋に譲渡したときとは区別されます。

手順4:信託口口座の開設

現金を信託することもあるでしょう。
また、信託財産の運用にあたり専用の口座を用意すべき場面もあります。

そこで受託者名義の口座を開設することになります。
ただし、信託のためであることがわかるよう専用の口座を設ける必要があります。これを「信託口口座」と呼びます。

信託口口座を開設できる金融機関は限られていますので、まずは家族信託に対応している金融機関を探しましょう。

家族信託を始めるために必要な費用

家族信託開始までには様々な費用が発生します。

例えば必要書類の準備段階から交通費や印紙代、戸籍の取得費用など、細々した手数料等が発生します。

契約内容の検討や契約書作成の依頼を専門家にする場合には依頼料も発生します。
もっとも着目しなければならないのは、この「専門家への依頼料」です。相談・コンサルから契約書の作成まで、一連の流れ全てをサポートしてもらおうとすると、数十万円は必要になってきます。ただし一般的には信託財産の価額によって料金が変わってきます。大きな費用がかかるのは相当に大きな財産を持っている方の場合です。そのため負担できないほど大きな金額を提示されることは考えにくいです。

結局のところ費用は依頼先によって異なるため、信頼できる専門家を探し、その事務所で料金体系について聞いてみるのが一番です。

また、契約書は公正証書として作成するのが一般的ですので、公正証書に係る手数料も負担することになります。
公正証書作成の手数料も、契約書に記載する金額に対応します。ただし数万円程度、多くても10万円程度で済むことがほとんどです。

信託財産に名義変更を要する財産が多く含まれていると、それぞれ名義変更をするのにも手数料がかかってきます。信託登記を行う場合には登録免許税が必要で、不動産の課税価格に応じた税額の納付をしなければなりません。
原則として課税価格の0.4%の登録免許税がかかりますが、土地の場合は期限つきで課税価格の0.3%となっています。例えば課税価格が土地2500 万円、建物1000 万円の自宅を信託する場合は、合計で11 万5 千円を納めることになります。

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