商事信託と民事信託(家族信託)の違いとは?メリット・デメリットを解説!/湘南なぎさ合同事務所

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商事信託と民事信託(家族信託)の違いとは?メリット・デメリットを解説!

財産を信託する方法には「商事信託」と「民事信託(家族信託)」があります。これらの違いは何なのでしょうか?この記事では、商事信託と民事信託(家族信託)の違いについて分かりやすく解説します。ぜひ、参考にしてみてください。

【比較図】商事信託と民事信託(家族信託)

  商事信託 民事信託(家族信託)
受託者 信託会社・信託銀行 家族・親族
受託者の権限 受託者の権限は狭い
(取得免許の種類により、権限の範囲が異なる)
受託者の権限は広い
(※信託契約書の中で柔軟に設定できる)
財産管理の範囲 一定規模の信託財産
(※自宅や未上場株式は対象外となる)
制限なし
財産管理のコスト 財産管理費用、各種手数料、運用報酬などのコストが発生する 専門家を関与させる場合はコストがかかる
信託にかかる報酬 信託報酬の支払いが必要 基本的に必要ない
(※報酬を支払う場合は、信託契約書に記載しておく)
メリット 財産管理の負担が軽減できる 財産管理範囲の自由度が高い
デメリット 信託コストがかかる
財産管理範囲が限定的
認知度が低い
民事信託(家族信託)の事例が少ない
トラブルの予想が付きにくい
慎重に手続きを行う必要がある

商事信託とは

商事信託とは、営利目的の信託会社や信託銀行に資産管理をお任せすることをいいます。運用方法を受託者に相談できる「運用型信託」と、全てをお任せする「管理型信託」があります。

内閣総理大臣の免許や登録を受けた信託会社や信託銀行が受託者となり、登録事業所に財産管理をお任せするため、相続の際に不正をされてしまうなどのリスクに対する抑止効果が期待できます。
しかし、商事信託で管理をお任せできる財産は、一定規模以上の財産です。自宅(不動産)や未上場株式などの管理をお任せすることはできません。また、信託会社や信託銀行に管理手数料を支払わなければいけません。

民事信託(家族信託)とは

民事信託(家族信託)は、家族や親族に資産管理をお任せすることをいいます。

場合に応じて、第三者に資産管理をお任せできます。家族に資産管理をお任せする場合は、受託者の同意が得られれば管理手数料などを支払わずに済みます。

また、財産規模の制限もありません。民事信託(家族信託)契約書内でルールを記載しておき、契約内容に従って財産を管理してもらいます。

2006年に信託業法が改正されて、営利目的でなければ、信託業の免許がなくても受託者になることができるようになりました。この改正によって、信託会社や信託銀行以外も受託者になることができるようになりました。

商事信託と民事信託(家族信託)の選び方

商事信託と民事信託(家族信託)のどちらを選ぶべきかは、各人で異なります。しかし、民事信託(家族信託)は財産管理の範囲が決められておらず、報酬を支払う必要もありません。この点を踏まえると、民事信託(家族信託)から考えてみるのが良いでしょう。

しかし、民事信託(家族信託)は契約書の書き方を間違えてしまうと、予想外のトラブルが起きてしまいます。そのため、必ず専門家に相談をするようにしましょう。

まとめ

今回は、商事信託と民事信託(家族信託)の違いについて分かりやすく解説しました。各方法にメリット・デメリットがあるので違いについて理解をしておきましょう。どちらを選択するべきか悩んだ場合は、民事信託(家族信託)から検討してみることをおすすめします。

しかし、民事信託(家族信託)は契約書の書き方を間違えてしまうと、予想外のトラブルに発展してしまいます。そのため、必ず専門家に相談をしてみてください。「湘南なぎさ合同事務所」でも相談を受け付けておりますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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