■相続法改正~遺産分割前の預貯金債権行使~
相続法改正によって、遺産分割前に、被相続人(亡くなった方)の預貯金口座から一部、現金を引き出すことが可能になります。(改正民法909条の2)
■現行法における相続した預貯金債権の扱い
相続した預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となります。(最判平成28年12月19日民集第70巻8号2121頁)
そのため、遺産分割が終了しなければ、被相続人の預貯金を引き出すことはできません。
遺産分割は、相続人全員の同意が必要であるため、必ずしもスムーズに行えるとは限りません(民法907条)
相続人の生活資金として被相続人の預貯金が使われていた場合には、遺産分割終了するまでの間、生活に困窮してしまう可能性があります。
■相続法改正による預貯金債権行使
相続法改正により、各共同相続人は、預貯金のうちそれぞれの口座の残額の3分の1までの額について、相続分に基づいて引き出すことができるようになります。
この改正によって、生活費や葬儀費用などに現金が求められる場面に対応できるようになりますが、同一の金融機関あたり150万円が限度となります。この改正は、施行日である2019年7月1日よりも前に開始した相続に関し、施行日以後に預貯金債権が行使されるときにも適用されます。
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