■相続法改正~自筆証書遺言の方式緩和~
相続法の改正によって、自筆証書遺言の方式が緩和されることになりました。
■遺言の方式
遺言の作成方法は、全て民法に定められています。
遺言を遺す人(遺言者)はこの方式に則って遺言を作成する必要があります。
この方式にしたがって作成されていない遺言は全て無効になってしまいます。
このように、遺言の方式が厳格に定められているのは、遺言書が、遺言者の死後に遺言者の意思を確認するための文章であるため、後の紛争を招きやすいことから、方式を厳格に定めることで、遺言書の意思を明確にするためであると考えられています。
遺言書を作成するためには、普通の方式として3種類の方法があります。
①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3つです。
■自筆証書遺言の方式緩和
今回の相続法の改正によって、この内自筆証書遺言について方式が緩和されることになりました。(2019年1月13日~)
自筆証書遺言は、従来、その要件として、遺言書がその全文を自書しなければならないと定められていました。そのため、パソコンやワープロによる遺言書の作成は全く認められていませんでした。
今回の改正によって、遺言のうち相続財産の全部または一部の目録を添付する場合、その目録は自書しなくてもよいことが認められました。
財産目録は、項目が多く、自書で行うことが大変でした。今回の改正によって、財産目録部分については家族の他の者に作ってもらうなども可能になるため、より遺言書が作りやすいルールになったといえるでしょう。
※2019年1月13日よりも前に作成された自筆証書遺言については、なお従前の例により、方式は緩和されませんので、注意が必要です。
※自書によらない財産目録の各ページには署名・捺印が必要で、遺言事項と自書によらない財産目録が混在しているページは無効となりますので、注意が必要です。
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