相続した不動産を売却するには、遺産分割や相続登記、売却方法の選定など、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。どのような流れで手続きを進めて不動産を売るのか、当記事ではその要点を紹介していきます。
相続不動産を売却するまでの流れ
相続の発生から始まり、相続登記や価格の査定、売却方法の選択、契約の締結、という段階を経て売却手続きは完了します。
それぞれの段階で必要な手続きを理解し、計画的に進めることが重要です。
相続発生~不動産の取得
相続は被相続人の死亡によって開始され、その時点で相続人が不動産などの財産を取得する権利を得ます。とはいえ、実際に不動産を取得するまでには一定の作業が必要となります。
まずは法定相続人の確認が必要で、そのためには戸籍関係の各種書類を集めないといけません。そして複数人の相続人がいることの確認が取れれば、遺産分割協議によって不動産の取得者を決めます。
もし遺言書が存在しているなら、基本的にはその内容に従って不動産を取得する人物が定まります。相続人が指定されていることもあれば、相続人ではない第三者が指定されていることもあります。
不動産の価格査定を依頼する
不動産の価格は、売却価格を設定するためにも必要ですし、遺産分割を検討する際の重要な判断材料にもなります。相続人が複数いるときは遺産分割協議を円滑に進めるためにも、早い段階での査定を実施することが望ましいでしょう。
査定方法に決まりはなく、多くの場合次のいずれかの方法により価格を調べることになるでしょう。
査定方法 | 方法別の特徴 |
---|---|
不動産会社への査定依頼 |
・近隣相場や取引事例をもとに査定が行われ、現在の市場価格を反映した評価額が得られる ・複数社への依頼による比較検討が可能 ・オンラインでの査定依頼も可能だが、より正確な査定には現地調査が必要 ・比較的低コストで済む |
不動産鑑定士への依頼 |
・高度な知見に基づく分析を行い、客観的かつより詳細な評価額が得られる ・裁判所への提出や遺産分割の証拠資料としての活用にも効果的 ・数万円~十数万円程度のコストがかかる |
固定資産税評価額などから自己評価 |
・固定資産税評価額は市町村から送付される課税明細書で確認可能 ・路線価等の公的な評価額を参考にすることも可能 ・実勢価格との乖離が大きい場合がある ・ほとんどコストをかけずに調査できる |
相続登記を完了させる
売却のためにも現在の所有者への名義変更が必要で、不動産における名義変更手続きは登記申請により行われます。
実務上、所有者名義で正しく登記されていないと売却をするのが難しくなってしまいますし、2024年4月からは法律により相続登記が義務となっています。そのため「不動産を相続したときは登記が必要」と覚えておきましょう。
売却方法を決める
相続不動産を売却する主な手法として以下3つを取り上げることができます。それぞれに異なる特徴がありますので、物件の内容や緊急性などに応じて最適な方法を選ぶようにしてください。
売却の手法 | 特徴と留意点 |
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不動産会社に仲介を依頼 |
・もっとも一般的な売却方法 ・広告掲載や内見対応などを不動産会社がサポートしてくれて、売却活動の進捗状況を定期的に報告してもらえるなど、取引の安全性も確保されやすい ・売却までに数ヶ月以上要することも多く、買主が見つかるまで売却額が確定しない ・仲介手数料が発生する |
買取業者に売却 |
・迅速な売却が可能で、老朽化した物件や立地条件の悪い物件でも比較的売却しやすい ・現金化までのスピードが早いため、相続に伴うさまざまな費用支払いにも対応しやすい ・仲介売却と比べると売却価格が低くなりがちで、買取業者の選定には慎重な検討が必要 |
競売にかける |
・不動産を共有で相続した場合で、その共有者間で売却方法の合意が得られない場合の選択肢 ・裁判所が介入するため手続きの公平性が保たれる ・手続きに時間がかかり、半年以上は余裕を持っておきたい ・市場価格より低額での売却となりやすく、手数料や予納金など相応の費用が必要 ・入札者が現れないリスクがある |
契約の締結~決済・引き渡し
売却方法が決まれば、買主との契約締結へと進みます。
契約時には手付金の授受が行われ、その後、決済日に残代金の支払いと物件の引き渡しが行われるのが一般的な流れです。そして所有権の移転登記も行い、名義を買主へと変更します。相続登記も同様ですが、通常、登記の手続きは司法書士に依頼して行います。
相続不動産売却時の必要書類
相続不動産を売却するため、いくつか書類を準備しないといけません。用意すべき書類は売却の方法や状況に応じて異なりますが、以下の書類は必要とされるケースが多いです。
《 多くの場合で必要になる書類 》
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
- 実印と印鑑登録証明書
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 固定資産税納税通知書
- 被相続人や相続人の戸籍謄本等
- 遺産分割協議書や遺言書の写し
- 不動産の間取り図や設備仕様書(建物の場合)
- 土地測量図・境界確認書(土地や戸建ての場合)
これらの書類を前もって備えておけば手続きがスムーズになるでしょう。細かな準備書類を確認するときは、不動産会社や専門家に相談することをおすすめします。
湘南なぎさ合同事務所(茅ヶ崎市、藤沢市、平塚市、鎌倉市)|相続不動産の売り方|売却の手順や方法、必要書類について解説